土と風と彷徨

回転するこの星のあらゆるものと遭遇し、ココロとカラダで感じたその様々を書き綴る

朝の音

夜が明けるとともにたくさんの朝の音が聞こえてくる。

蓮の花は夜明けに咲き、お昼に蕾むのだと、花が開く時に「ポンッ」と音が鳴るらしい、という話を聞いた。昨日の明け方、ゲストハウスの友達と蓮の朝の音を聞きに行こうと上野公園の蓮池まで散歩した。蝉の亡骸、ビール、猫、雀、サギ、カエル、アメンボ、たくさん出会って色々なことを教えてくれた。 彼らは色々と話をしていそうだけど、僕には「声」は聞こえなかった。人間がみんなネイティブだった頃はきっと聞こえていたはず。

僕の隣を歩いてくれた友達は、同じ景色を歩いているのに僕が発見できなかったものを見つけていた。蝉の抜け殻、猫、トンボ、樹木、見逃してばかりいることに気づいた。 文明の隙間にいきもの達が隠れているのを見つけて嬉しかった。朝はやっぱり素敵な時で、蓮はやっぱり綺麗だった。寝坊して「ポンッ」は聞けなかったのだけど…