土と風と彷徨

回転するこの星のあらゆるものと遭遇し、ココロとカラダで感じたその様々を書き綴る

音に合わせてカラダを揺らす

滋賀県の琵琶湖の西、山の奥地にまつりがあった。ロックフェスともレイヴとも少し違う、それは祭り、集まる人々は、焼けた肌、エスニックな服装、素足、サンダル、子供たちは裸、自由と旅と音が好きな人が多いと思う。ドレッドの長い髪が頭の上でグルグルな人もいた。チベットみたいな景色、宇宙を感じる夜、土から生まれてきたような人々、ここはアジアの何処だろう?と思ったりする。

時々誰かが聞く「いま何時?」ってそしたら誰も分からない、何でかって?それは誰も時計を身に付けていないから、時計の針の動きは感じない空間、日にちや曜日も分からなかった。太陽の動きと月の満ち欠け、それだけはなんだか感じとれた。

雨がザーザー降る中で森のぽっかり空いた空間に音が響く、ステージ前のフロアはいつも泥だらけにぬかるんでいた。人々はずぶ濡れに泥だらけになってカラダを揺らす、踊る、僕がスタッフをやっていたカフェバーのカウンターから見えるステージとフロアの景色、泥だらけになって楽しむ人たちの後ろ姿が僕は大好きだった。音が鳴らない日にはステージのある森の空間に自然の音が聞こえて、音が鳴らない日だってちゃんと良かった。

そんな日々、ふっと思い出したことがあった。去年、香川県のファンキーな米農家の奥さんに言われた言葉「ヒッピーにだけはならないでね。」そのときは言葉の理由が分からなかったけれどもヒッピーだけでもきっと良くないな、って今は少し感じる。バランスが大事だろうと、その日は“バランス”ってワードがテーマの一日になってアメリカ人のリーと2人で、バランス、ってばかり言っていた。「毎日がまつりでも良くないね」「バランスだよ」なんて

歌い、踊り、陽気になってカラダとキモチを解放。アタマばっかりは良くないね、バランス